本記事では、古き良き昭和の団地の現在の様子を、写真を中心に記録しています。日々の疲れを癒せるお役に立てればと思います。
今回は、千葉県八千代市の団地発祥の地へと行ってきました。
千葉県八千代市:八千代台団地
千葉県八千代市にあります、八千代台団地(やちよだいだんち)です。
ここは、「団地発祥の地」とのことです。そもそも団地の発祥とはどのようなことなのでしょうか。
八千代台団地
千葉県八千代市にある日本初の大規模住宅団地
引用元:wikipedia
そうなのか、、日本初の大規模住宅団地とありますね、それは是非見ておきたいところ。
最寄り駅:京成本線 八千代台駅
京成(けいせい)本線の八千代台(やちよだい)駅に到着です。
(京成本線は、東京都台東区の京成上野駅と千葉県成田市の成田空港駅間を結ぶ、京成電鉄の鉄道路線です)
この近くの勝田台駅に10年近く仕事で通っていたのですが、この八千代台駅には降りたことがなかったのです。特に用事もなかったし、、ですが今回は用事があります!八千代台団地にです。
ここで問題発生です。「住宅団地発祥の碑」記念碑を写真におさめようと近づくと、おっちゃんが腰かけて缶チューハイをやってるじゃないですか!残念。当日は猛暑でおっちゃんも我慢できなかったのでしょう。あきらめて先に団地に向かいます!
団地への道のり
途中、おもむきのある十一屋という食料品・お酒のお店です。団地ができた当初からありそうですね。
信号の向こう側に見えました。八千代台団地です。各棟はテラスハウス型の団地でおもむきがありますね。
事前に「公団ウォーカー」さんのサイトで下調べしていたのですがテラスハウス式の団地は珍しく、私の団地イメージとは違っておりました。
では八千代台団地へ参りましょう!
八千代台団地
八千代台団地に到着です。第一印象は「小さな団地~全体的に」でした。
各棟の玄関側には、緑が生い茂っておりました。植木なども手入れされていました。
現在テラスハウス式の団地は全て分譲とのことです。各住人がメンテナンスされているのですね。
屋上にはテレビアンテナでしょうか、各世帯ごとに設置されています。
正面窓側の様子です。よく見ると、一番左の部屋には大きなベランダがついていました。初期の状態では2階にベランダは付いていなかったと想定できます。他の棟の状態も見てみます。
団地を大胆に”改装”
一番左の部屋は、なんと1階を拡張しているようです。その上のベランダも広く拡張されておりました。皆さん結構カスタマイズされているのですね!正面の分譲区画が結構広いのでしょう。
工事中の部屋がありました。これもリフォームなのでしょうか、正面の窓すべて取り壊されておりました。大胆!
どのように改装されるのか楽しみです。後日見に来たいと思います。
では、もう少し奥に向かっていきます。
団地内の散策
この部屋は門扉がありますね。隣の部屋との間には柵がありました。
この道路沿いに見える、テラスハウスがとても癒されます。このたたずまい。
画面右側から、子供たちの声が聞こえます。学校のグラウンドのようです。ここは高台になっておりグラウンドはかなり下のほうに見えました。
自衛隊のヘリコプター
団地を見学していたら、突然の轟音。自衛隊のヘリコプターです。
近くに自衛隊習志野駐屯地があり、おそらく空挺部隊のものでしょう。千葉にいるとヘリコプターはよく見るのですが、この轟音は結構低空を飛行しているのではないでしょうか。住民の方の騒音はどの程度に感じているのでしょう。
少し調べました。
“令和2年度 陸上自衛隊習志野駐屯地第1空挺団 降下訓練に係る航空機騒音調査結果報告書
千葉市・船橋市・習志野市・八千代市 合同調査事業 令和3年3月”
ここに騒音状況が記録されておりましたが、数値データのみで騒音としての状況は別資料にありました。
引用元:八千代市 000132206.pdf (city.yachiyo.chiba.jp)
習志野市ホームページより
“習志野演習場における落下傘降下訓練等に伴う航空機騒音の低減等について要請しました(令和2年度)”
このページの「資料2-2 令和2年1月~12月習志野演習場降下訓練等に係る苦情発生状況」に苦情が記録されておりました。いくつかここで紹介します。
No79 八千代市 八千代台南 1月9日 ”朝から晩まで、うるさい。引っ越してきたときはこんなにひどくなかった。住宅側で訓練させるな。常時騒音を測定して状況を把握し、自衛隊に中止を要請しろ。”
No82 八千代市 高津 2月21日 ”朝から自衛隊の飛行機が飛んでおり、音がうるさい。飛んでくる間隔も短く、音も異様に大きく感じる。自衛隊に伝えてほしい。”
引用元:習志野市ホームページ 習志野演習場における落下傘降下訓練等に伴う航空機騒音の低減等について要請しました(令和2年度) 習志野市ホームページ (narashino.lg.jp)
苦情は少なからずあるようです。この音量では窓を開けていると結構騒音になると考えます。私がもし騒音被害の当事者で、頻度も結構高いようでしたら苦情を入れると思います。
ヘリコプターも3機通りすぎたので、そろそろ八千代台団地をあとにしたいと思います。
そうだ!「住宅団地発祥の碑」記念碑を撮影しないと、もうおっちゃんもいない事を祈って駅に向かいます。
住宅団地発祥の地
よかった!おっちゃんいない。無事記念碑も撮影できました。
冒頭で触れましたが、住宅団地発祥の地とは?碑文を書いておきます。
この附近には明治以来習志野騎兵旅団が駐屯し 八千代台団地もその旅団の練習場であったが 時は移り昭和30年3月多くの方々のご協力を得て 千葉県住宅協会の手でこの地に全国初の住宅団地が誕生した
これが契機となって住宅金融公庫の団地造成に対する融資制度も確立し 全国に続々と住宅団地の造成を見るようになった
今から見れば 八千代台団地は必ずしも大団地とは云えないが 団地誕生の歴史を回顧すれば八千代台団地のできたことは洵(まこと)に意義深いものであった
昭和40年4月 財団法人 千葉県住宅協会会長 友納武人
引用元:住宅団地発祥の地 記念碑
これは、文面からすると千葉県住宅協会がこの八千代台に全国初の住宅団地を造成した。それがきっかけとなり「住宅金融公庫による団地造成の融資制度」が確立し、全国に団地を作るきっかけとなった。したがって「住宅団地発祥の地」と言えるのではないか、と取れます。
「住宅金融公庫の融資制度のきっかけを作った現場(八千代台)=住宅団地発祥の地」
と解釈されているように見えます。
”住宅団地”という表現は、今日見てきた団地群だけを指すのではなく、一体に建設された宅地全般を指しているようです。したがって今日見てきたテラスハウス型の団地がいわゆる団地のルーツではないようですね。
・・少し紛らわしい表現でしたね・・
東口の散策
まだ時間もあるので、東口も見てみたいと思います。(何しろ初八千代台)
連絡地下道をとおって、反対側の東口へむかいます。
西口と比べると、いっきに開けた感じになりました。道路も広い。ただ土曜日というのにあまり人がいない気がしました。
少し横道にそれてみます。
まだ築年数も新しそうなモダンな団地がありました。
八千代台は、団地発祥の地と言われています。その記念碑におっちゃんが座って缶チューハイをやっていた姿が、記憶に残りました。「発祥だろうがなんだろうが、しったこっちゃない!俺はここにずっと住んでて今日はやけに暑いから飲んでるだけだ!」という声が聞こえたかどうかはさておき、住民と団地発祥の碑の関係が垣間見えた気がしました。
昔からある団地をリフォームやリノベーションして住み続けることに意味がある気がしました。なぜ自分が団地にひかれるのか、、[記念碑に座って缶チューハイをやるおっちゃん]の姿や[大改装中のテラスハウス住宅]に何かヒントがあるように思いました。
それでは電車でかえります。八千代台団地でした。
(私もどこかに寄り道して缶チューハイやりたいと思います!)