宮崎弁は癒しの方言と言われます!県内外どちらの方も楽しめる用例集にしました。
「た」行ふたつ目は「ち」から始まる【ちんがら】です。
使い方とともに意味を解説します。
「ちんがら」 の使い方と意味
「ちんがら」や「ちんがらつ」ですが、「とっちらかった」状態を表したり「台無し」「もともこもない」といった意味で使うことが多いです。
「ちんがらつ」の「つ」は状態を表す宮崎弁です。
使い方①:親子の会話から(かたづけ編)
・息子の部屋の、あまりの散らかり具合に息子にカミナリを落とすところです。
(漫画雑誌、作りかけのプラモデル、教科書、お菓子が散乱)
こら~部屋片づけんか!
ちんがらつ じゃが!
いま片づけるとこやが。
昨日もおんなじこつ言ったがね
はよ~片づけんか!!
なかなか部屋を片付けることが出来ない息子に、今日も切れ気味にカミナリが落ちました。
私も、片づけは苦手でした。あれもこれも気になるんですよね~。ほぼ毎日母親に怒られていました(涙)。
使い方②:ダースベイダーのつぶやき(スターウォーズから)
「スターウォーズ」シリーズ
アメリカのSF映画。1977年に公開された第一作の監督はジョージ・ルーカス。
超大まかなストーリーは(ネタばれにもなりませんが(汗))、かつて平和だった銀河系が、銀河帝国の圧政に虐げられ、主人公のルーク・スカイウォーカーやハン・ソロがレイヤ姫の反乱軍とともに銀河帝国と戦うというもの。
さらに”フォース”の使い手「ヨーダ」、「R2D2」「C3PO」といった雑な名前のロボットなど、当時最先端の特撮技術に夢中になりました。
帝国側の「ダースベイダー」の「コーコー」という呼吸音や真っ黒な鎧とマントが強烈な悪役の印象を残しましたね。
・反乱軍に弱点を攻撃され、大爆発する帝国の巨大兵器「デス・スター」を、船外で防戦中だったダースベイダーが宮崎弁でつぶやいたとしたら、恐らく。
はぁ~、ちんがらつ
じゃ
この場合、完全に破壊、台無し、今までの努力が水の泡。といった状態を表しています。
ちなみにデス・スターは「エピソード6/ジェダイの帰還」で第2デス・スターとして再構築されます。
使い方③:熱力学の法則で(エントロピー増大の法則から)
・高校時代に、化学の先生が「ちんがらつ」を授業で使っていたような記憶があり、内容を残念ながら覚えていません。
(化学の授業が嫌いだった。。という個人的な理由もあります。だいたい居眠り(汗;))
化学であてはまるとしたら、恐らく「エントロピー増大の法則」ではないかと。
エントロピー増大の法則
熱力学には重要な2つの法則があり、
・熱力学第一法則:エネルギー保存則
・熱力学第二法則:エントロピー増大の法則
エントロピー増大の法則は、簡単にいうと「物事はほうっておくと乱雑・無秩序・複雑な方向に向かい、自発的に元に戻ることはない」例えば、
・拡散した気体は元に戻らない
・コーヒーにミルクを入れると自然に混ざるが、勝手に分かれることはない
下記ブログがとてもわかりやすく解説されておりました。ありがとうございます。引用しました。
https://jp.dreamscope.me/blog/2021/4/entropy
参考にさせていただいたブログの記事が、化学嫌いの私でもすごくわかりやすかったので、図を引用させて頂きました。
エントロピー増大の法則図
エントロピーが低い状態では、珈琲カップの中身は60℃/室温10℃
エントロピーが高い状態では、珈琲カップの中身は20℃/室温20℃
つまりエントロピーが自然に低くなる(=珈琲カップの中身が自然に60℃にもどる)ことは無いという自然法則を現わしていますね。
「物事は、ほうっておくと「ちんがらつ」な方向にしかならない」
いかがですか?イメージとしては、ちんがらつ が良くあてはまるかと。
これは、色々調べると「タイムマシンが発明されても過去には絶対に戻れない」ということの証明にもなるとの事でした。
過去に戻ることは出来ない・・・タイムマシンの夢は儚くも熱力学(物理学)的には完全に敗れてしまいました。
私達はもう「未来へ向かうしかできない」ということの証明ですね。
しっかり前(未来)を向いて歩きたいですね!
ちんがらつなっても!!!
重要なポイントまとめ
ここで重要なことです。
- 「ちんがら」は「とっちらかす」ことを表し、「ちんがらつ」は「ちらかった状態」を表すときに使います。
- 台無し、破壊された、水の泡の状態でも使います。
- たとえ「ちんがらつ」となっても過去には戻れません!
- ちんがらは鹿児島弁にもあり、恐らくルーツではないかと思います。
宮崎のおすすめ品(チキン南蛮)
チキン南蛮(ちきんなんばん)
宮崎県発祥の名物料理です。鶏肉に小麦粉と溶き卵を絡めて甘酢に浸し、タルタルソースをかけた料理。
元祖は「味のおぐら」と言われていました。
私が宮崎にいた学生時代は、家族で「味のおぐら」に行くことは特別な時などで、本店は山形屋百貨店の裏、実家からは瀬頭店が近いので、そちらを利用していました。
今や全国区になった「チキン南蛮」ですが、単なる”タルタルソースをかけただけ”であったり”甘酢がすっぱすぎ”だったりで、そんな時はおぐらの味が急に懐かしくなります。
最近、宮崎県出身の方に関東で会うことがあり、「チキン南蛮発祥は、おぐらでは無い!延岡の「直ちゃん」という店よ!」と言われたことがありました。知りませんでした。
延岡発祥のチキン南蛮はタルタルソースをかけず、甘酢のみとのこと。ぜひ食べてみたいです!元祖チキン南蛮。
ありがとうございました。