宮崎弁は癒しの方言と言われます!県内外どちらの方も楽しめる用例集にしました。
ラーメン屋で有名な「なんでんかんでん」ですが、宮崎弁でも「なんでんかんでん」は使われます。
「なんでもかんでも」という意味で九州全般で使われる方言です。
ラーメン屋の「なんでんかんでん」社長の川原氏は福岡県の博多のご出身で、関東進出の際に店名を友人に相談したところ「名前なんてなんでんかんでんよかろうもん」と言われこの名前にしたそうです。
本格的な豚骨ラーメンの関東進出の先駆けとなった有名店ですね。
宮崎弁には「なんでんかんでん」以外に似た表現として多くの方言があります。
今回は、宮崎の友人の協力も受けながらいくつかご紹介します。
「どしてんこしてん」の使い方と意味
「どしてんこしてん」は、「どうしても、こうしても」という意味になります。
何かうまくいかない時の表現で、強調したいときに使われます。
使い方:戸棚の修理をしている夫婦の会話から①
戸棚のネジがどしてんこしてん外れんが、、
無理せんでいいよ、古いっちゃかい。
「どしてんこしてん」の解説
夫が家の戸棚を修理しようとして、扉などのネジを外そうとしている場面です。
ドライバーなどで、いくらネジを外そうとしても外れない状況を強調する場合に「どしてんこしてん」をつけて表現しています。
色々手をつくしても状況が改善されないことを現わしていますね。
「やっとかっと」の使い方と意味
「やっとかっと」は「ようやく」、「ギリギリ」という意味です。
すごくギリギリの状況が好転し、何とかうまくいった時に使います。
使い方:戸棚の修理をしている夫婦の会話から②
やっとかっと外れたが!
ネジがバカになっちょる。
良かった~!ありがとう!
「やっとかっと」の解説
戸棚のネジが「どしてんこしてん」外れなかったが、夫が孤軍奮闘し「やっとかっと」ネジが外れ無事に修理ができる状態になった場面です。
ようやくネジを外すことができた場合を例にしてますが、他には息子の受験合格の時などに「やっとかっと受かった」やゴルフでようやく100切りを達成した時の「やっとかっと100切ったが」などに使います。
似た表現に「やっとこさ」があります。
「どこでんここでん」の使い方と意味
「どこでんここでん」は「どこでもそこでも」に近い意味ですが、ニュアンスをうまくご説明できません。。
よく使われるのは「ちらかしっぱなしで、だらしない」ことを現わすときなどに使います。
使い方:親子の会話から①
帽子がなくなった~(涙)
どこでんここでん置いちょっかいよ
まこち!
「どこでんここでん」の解説
母親が、息子にだらしがないことを叱っている場面で「どこでんここでん」を使っていますね。
息子は帽子をどこで無くしたかがわからずに、母親に泣いて訴えている場面になります。
「どこでんここでん」は「どこそこ」と同じ意味ですが、さらに”とっちらかしている”状況を強調して表現するときに使います。
「いつでんかつでん」の使い方と意味
「いつでんかつでん」は「いつでもどこでも」に近い意味ですが、これもニュアンスが少し違います。
先の「どこでんそこでん」が場所(空間)を表現するのに対し、「いつでんかつでん」は時間を表します。
使い方:夫婦の会話から①
近くにコンビニっちゅうもんが
出来たげな、24時間営業って?
いつでんかつでんやっちょる
ちゅうこつじゃろ!
「いつでんかつでん」の解説
まさに24時間営業のコンビニエンスストアの開店時間のことですね。「いつでんかつでん」やっちょる(いつも開店している)という意味で使います。
似た表現に「いっつもかっつも」がありますが、ニュアンスが微妙に違います。
「いつでんかつでん」はコンビニが何もしなくてもかってに開店しているような”受動的”な状況に対して、
「いっつもかっつも」はどちらかというと”能動的”な状況で使います。「いっつもかっつもゲームばっかりしよる」など。
「しゃっちこっち」の使い方と意味
「しゃっちこっち」は「わざわざ」という意味です。
よく使う場面としては、「しゃっちこっち〇〇せんでも」など「無駄なことをしなくてもよい」といった表現になります。
使い方:夫婦の会話から②
向かいのコンビニ行ってみるね?
まっちょって、化粧するかい
しゃっちこっち化粧せんでも・・
「しゃっちこっち」の解説
まさに、「わざわざ」という意味になります。
「しゃっちこっち」を使う場面としては、すごく面倒なことをわざわざする必要もない。といったニュアンスになります。
例えば「しゃっちこっち敬語で話さんでもいいが」、「しゃっちこっち遠いほうのスーパーに行かなくてもいいとに」など「わざわざ」を強調するときに使う場面が多いです。
重要なポイントまとめ
「なんでんかんでん」と同じパターンの、2つの似た言葉を繰り返す方言のまとめです。
- 「どしてんこしてん」は「どうしても、こうしても」という意味で、どうにもならない時に使います。
- 「やっとかっと」は「ようやく」、「ギリギリ」という意味で、なんとかクリアしたときに使います。
- 「どこでんここでん」は「どこでもそこでも」に近い意味で、場所(空間)を表します。
- 「いつでんかつでん」は「いつでもどこでも」に近い意味で、時間を表します。
- 「しゃっちこっち」は「わざわざ」という意味です。
このように、2回強調して表現する宮崎弁は他にも多くあります。なぜ多いのか、今後のテーマとして調査を継続していきますね!
宮崎のおすすめ品(日向夏)
日向夏(ひゅうがなつ)
宮崎特産の柑橘類、日向夏みかんです。
黄色い表皮をむき、身の部分にある白い厚皮ごと食します。
この白い部分に味はないのですが、その食感と風味が、中の黄色い柑橘の部分と合わされさわやかな味わいを楽しめます。
みかんがあまり好きではない私も、この日向夏は好きです。あまり酸っぱくなく県民はこれに砂糖をつけて食べたりもします。
春の終わりから初夏にかけて味わうことが出来ますので、ぜひおすすめしたい日向夏です。
ありがとうございました。